vol.2  建物の構造

今回は、ちょっと堅い(固い?)コンクリートの話です。


団地は、鉄筋の周りをコンクリートで覆った、

鉄筋コンクリート(RC)で造られています。


コンクリートはアルカリ性なので、

内部の鉄筋がさびる事を防いでくれています。


しかし、時がたつにつれて、

コンクリートがアルカリ性から中性に変わっていくと、

内部の鉄筋がさびやすくなります。


さびた鉄筋は、容積が増して、

覆っているコンクリートを内部からはじけさせる事があります。

これを爆裂現象(ポップアウト)といいます。


コンクリートが中性化していくこと自体は完全には止めることはできず、

それ自体は悪いことではありません。

問題なのは、内部に水分が入って、

鉄筋を錆びさせることなのです。


内部に水分を入れないようにするために、

外壁に塗装が施されています。

そして、塗装が劣化してくる10数年ごとに、

外壁の塗装をやり直すという大規模修繕が必要なんですね。


ここをしっかりと行っているかどうかが、

建物の寿命を決めるといっても過言ではないですね。

大規模修繕は、建物にとって重要なメンテナンスのひとつです。



コンクリートについての基本の次は、建物の構造です。


鉄筋コンクリート(RC)造にも種類があり、

柱と梁で構造体を構成している「ラーメン構造」と、

壁、床、天井の面で構造体を構成している「壁式構造」があります。


壁式構造は、非常に剛性が高く地震に強いとされています。


また、ラーメン構造に見られる住戸内の梁や柱などの出っ張りは無く、

部屋がすっきりとできますが、

間仕切りの壁が構造体である場合、壊して撤去することができないため、

間取り変更の自由度はラーメン構造の方が高いと言えます。




さらに、壁式構造は、

コンクリートのパネルを工場で生産する「プレキャスト工法(PC)」と、

建設現場でコンクリートを流し込んでいく「現場打ち」とがあります。


現場打ちに比べて、プレキャストのコンクリートパネルは、

品質が高く、一定で、性能が良いとされています。




地震への強さについて見てみましょう。


阪神淡路大震災での被害状況は、

壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造の建物2032棟のうち、

倒壊・大破の建物は皆無で、

小破以上と判定された建物は37棟となっています。


その37棟のうち、不等沈下など地盤に起因する被害が18棟であり、

ここからも地震に対する強さがうかがえます。



さらに、なにかと心配される耐震基準ですが、

全2032棟のうち、

旧耐震基準(1981以前)で建てられたものは910棟であり、

そのうち地盤による被害は8棟、

それ以外の被害は17棟となっています。


旧耐震だからといって、

地震が来たら倒壊するかといえばそうではありません。


壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造の建物に限って言えば、

新耐震基準に移行する時に厳しくなった数値

(壁厚や壁量、階高、コンクリートの強度など)は無く、

地震時に建物に加わる「水平力」に関する定数が

変えられただけとなっています。




個人的な意見ですが、

旧耐震であるだけで危険だというのは行き過ぎていると思います。


理由のひとつは、

実際の地震による倒壊のデータ。

もうひとつは、

新耐震で、厳しくなった基準の数値がないということ。

さらに、

耐震基準を満たすのは、建設当時のスペックだけであり、

本当に大事なのは、そこから先のメンテナンスだということ。


40年前に性能が良かったものが今もそのまま良いとは言い切れません。

どれだけ、しっかりと外壁塗装工事をしてきたか、ということであり、

どれだけの愛情を建物に注いできたかが問われるべきだと思います。



 


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