vol. 4 モノの価値とは?

今回は、前回に引き続き「モノ」の話です。

 

いま、シンプルな暮らしに魅力を感じる若い人が増えています。

 

少し前の断捨離ブームからもわかるように、

「自分にとって必要なモノだけで心豊かに暮らしたい」

と願う人が多くなっています。


だいぶ前の話ですが、戦後はモノが不足しており、

モノを捨てるのはもったいないと教えられました。

その後、大量にモノを生産する時代になり、

部屋の中はモノで溢れかえるようになりました。

 

そしてそのために、快適な生活が送れないという状況になっています。


 

今の若い人たちは、モノが不足していた時代を知らないので、

比較的モノへの執着がなくなっています。


そこで、

「モノって何?」

「快適な暮らしって何?」

という疑問がわいてきたのでしょう。


モノがたくさんあることが、

必ずしも快適な暮らしにつながらないことがわかり、


「たくさんのモノはいらない」

「自分の気に入っているモノを大事に使い続けるのが、

自分にとってもモノにとっても幸せだ」


という考え方に辿り着いたのだと思います。



 

先日、こんなことがありました。

ある夫婦が、車の車検を通すかどうかの議論をしています。

車は古く、今回は相当の修理が必要です。

 

ご主人は

「修理して、車検も通して乗り続けたい」

奥様は

「修理の金額で中古に買い替えたらいい

燃費も中古を買った方がよくなるし、装備も新しくなる」

という意見でした。


悩ましい問題ですが、私の意見は「乗り続ける」です。

というのは、話を聞くうち、

ご主人の車に対する愛情が感じられたからです。


エンジンの特徴やその車にまつわる思い出など、

とても楽しそうに話されていて、

それ以外にも、きっとたくさんのいい思い出があるのだろう、

と想像できたのです。


最新の装備もなく、燃費の面でも劣ります。

経済的なことだけで考えれば、合理的な判断ではないかもしれません。

しかし、

それだけの愛情を感じているモノを持つということはとても幸せです。


そこには、スペックだけでは測れない価値があります。

そういうモノとは、ぜひ長く付き合っていただきたいと思います。



 

団地も同じではないでしょうか。


新築のマンションと比べれば、設備面では当然劣っています。

オートロック、セキュリティーカメラ、ディスポーザーなどありません。

エレベーターもありません。


しかし、団地にそれだけでは測れない価値があるなら、

使い続ける、住み続けるという選択肢もあるのではないでしょうか。

長年住んでいる人ならなおさらでしょう。


団地の価値は、建物だけではありません。

 

その団地での暮らしそのもの、

住人たちが今まで創り上げてきたもの、

これから創り続けていくもの、

これらも団地の大きな魅力、価値となるのです。


これからの団地に必要なことは、

その団地に暮らす価値を多くの人に知ってもらうことです。


全ての人がその価値を理解し、魅力を感じることはないでしょう。

でも、それをよいと思う人は必ずいます。


そんな人たちが新たに住み継ぐことで、

その団地での暮らしが次の世代に引き継がれていく―。


それが住む人にとっても、団地にとっても、

一番幸せなことではないでしょうか? 


これからの団地は、ただの集合住宅ではなく、

それぞれの団地が、その地域にふさわしい価値を持ち、

暮らしの場としての魅力を高める努力をしていくべきだと思います。


いま、時代とともに変わっていくべき価値や魅力を

もう一度見つけ出すときが来ているのです。



若い人には、

「新しいモノが一番よいモノではなく、古くてもよいモノはよい」

「よいモノは長く使いたい」

という価値観があります。


そして、現在はインターネットで簡単に情報を発信できます。


これからの団地にとって、

世間で言われているような悪い状況ばかりではないのです。


団地に住まう魅力、

その団地がある地域で暮らす価値、

それらをしっかりと磨き上げ、知ってもらう努力をすれば、

そこに魅力を感じる人は必ず出てきます。


こう考えてみると、団地の明るい未来が見えてきますね。


 


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