vol.6  幸せのカタチ

―私の人生を変えた海外での体験―


私はオーストラリアで半年間、いわゆるバックパッカーとして、

生きるために必要なモノだけで暮らしていました。


そこでは、たくさんのモノがない代わりに、

たくさんのことを感じる心の余裕があったように感じます。


そんな毎日でわかったことは、

自分にとっては、モノの豊かさや生活の便利さは幸せとは関係がない、

むしろ多少不便な方が居心地がいいということでした。




その後、アメリカで中古バイクの買い付けをしている時に、

モノと人との関わりについて深く考え始めました。


何十年も乗っているバイクを引き取る時などは、

持ち主はそのバイクとのいろんな思い出を話してくれます。

そして私がバイクをトラックに積んで、

去っていく時にはさみしそうな顔でバイクを見つめ、

バイクにサヨナラを言うのです。


こんな風に愛情をかけてもらったバイクは、

一見古くても、新車とは違う輝きを持っています。


持ち主の愛情は、モノにも確実に伝わっているということを知りました。




 

―団地との出会いとはじめの一歩―


1年半前、今住んでいる団地をはじめて見たときに、

この団地は愛されている―そう確信できました。


ただ、世の中では、団地の空き部屋の問題、

若い世代の貧困の問題も深刻になっています。


この現状をなんとかしたい―その想いが強くなり、

団地を舞台とした活動に取り組み始めることとなりました。


それまで団地に住んだことはありませんでしたので、

まずは住んでみないと何が課題かもわからないと考え、

空いていた5階の部屋を購入しました。


そして、その部屋に住みながら実状や問題を理解し、

活性の手助けをしていくことにしたのです。


まず取り組んだことは、なるべく費用を抑えて部屋を快適にすることです。

そのために選んだのが、セルフリノベという方法です。


 

―団地に暮らし始めて―


自分でセルフリノベーションした部屋に暮らし始めて1年が経ちました。

途中、大変な作業もありましたが、住みごこちは申し分ありません。


セルフリノベですから小さな問題は出てきますが、

それよりも、5階からの眺めや、風通しの良さ、緑の多い環境、

そして自分が手掛けた部屋。


その中での暮らしは快適以外の何ものでもありません。



費用を抑えつつ、団地の部屋を快適な部屋に変えられることは実証できました。

今度は、このような住み方をたくさんの人に知ってもらう段階です。


現在、雑誌掲載やホームページ、フェイスブックなどで、

団地の生活を知ってもらい、

「団地」という言葉から受ける悪いイメージを変えること、

実際に住まなければわからない団地の良さを伝えています。



―幸せのカタチ―


日本ではこの先、安定して収入を増やし続けることは難しいでしょう。

マイホームのために無理をして35年ローンを組むことは、

かなりのリスクと言えます。


だからといって、

快適な暮らしを我慢したりあきらめる、

といったネガティブな発想をするのではなく、

あえて少しの不便や手間を選ぶといった、

前向きな考え方へのシフトが必要です。



たとえば、東京周辺でも都心にこだわらず郊外に目を向ければ、

そして自分でリフォームの一部に挑戦すれば、

リフォーム代を含めて数百万円で、

自分だけの部屋を手に入れることができます。


そして住居にかかる費用を抑えることで、

自分がより重要だと思うところにお金を振り分けることができます。


それは、留学や資格の学校に通うことかもしれませんし、

起業することかもしれません。

大好きだけど今はあまりお金にならない仕事かもしれません。


これまでは、たくさん稼いで、

家や車やたくさんのモノを手に入れることが、

ほぼ唯一の幸せのカタチでした。

皆がその幸せに向かって頑張っていました。


いま、それは変わりつつあります。


私のように、

モノの豊かさと幸せとは関係がないという考えの方もたくさんいます。

また、仕事に関しても、一つの会社に勤め続けるのではなく、

転職が当たり前になりました。


人生のいろいろな部分で選べることが増えています。


選べるということは、選ばなければいけないということであり、

選ばないのであれば、今までと同じか、

周りに流される道しか残されていません。


そして、それはもっとも満足感を得られない状態です。


これからさらに、自分が望む生き方はどんなものか?

自分にとっての幸せとは何か?

それを自分に問いかけていかなければならない時代になります。



これからの時代の新しい幸せのカタチ。

それを見つけるために団地が果たせる役割は、

まだまだたくさんあるのではないでしょうか。



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